弟と彼女

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「僕の…12歳年上のお兄ちゃん」 「なにそれ実のお兄さん?」 「うっ」 頷いたと同時に空良の瞳からボロッと大粒の涙がこぼれた 「ギョッ な、何よ なになに、 どうしたの!?」 「ぎっ、ぎのうっ 陸玖兄ぃ、帰ってこながっだっ! こんなこと いっ 1度もながっだのに…っっ!」 堰を切ったように涙が溢れだし空良は子供のようにしゃくり上げる 「初めて『バカ』って言われた…っ! 何で…僕、何かいけないことしたのかなあ…っ?」 空良は夕べのことをまざまざと思い返す (陸玖兄ぃ、苦しそうな顔だった …泣いているように見えた…どうして…?) 流れる涙を拭おうともせずただハラハラと泣きこぼす 「空良くん… お兄さんのこと大切なんだね」 「うん すごい大切」 「お兄さんのこと好き?」 「うん 好き」 「…あたしよりも?」 「うん 大好き」 「なにそれ…」 瑠花の肩がわなわなと震え出す
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