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「…はは
ここは滅多に雪降らないからな
北海道でも行かなきゃホワイトクリスマスにはならないな~」
無邪気にはしゃぐ空良のそばで陸玖も楽しげに笑う
(彼女と別れたとか、よくわからないけど
こうして空良もたくさんの経験をして大人になっていくワケだ
…俺の叶わない想いもこの星空に解き放って
吸い込まれていってしまえばいい)
物憂げに空を見上げる陸玖のシャツ衿をグイッと掴んで
空良は自分の方へと引き寄せる
「ぉわっ、な、なんだよ」
「陸玖兄ぃ、サンタさんに欲しいものお願いした?」
「え?いや
だから、俺は…」
空良は背伸びして長身の陸玖に顔を寄せて耳元に囁いた
「『僕が欲しい』って、お願いしてよ
必ずもらえるよ」
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