思い出すのは一人

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落ち込む時もあるさと嘯く あなたは簡単に背を向ける 擦れ違う周期で交差われる 体温の違いで循環っていく 繰返す伺いに苦笑を忍べば 優しい笑顔は自嘲を伴って 空咳を空腹でやり過ごせば 指定席に居座り続けている 木の葉を揺らす 坂道から 逢瀬は時に迷い 立ち尽す ドングリ拾って 思い出す 落ち葉を鳴らす 夢のあと 会いたい時の違いはやがて 目線を外す機会を見計らい 異なる方向を見つめている 気紛れに進んでも構わない 去り行く人は引き留めずに 心に染み入るのを見守って この両手はもう傷だらけで なかったことにはできない 全てを受け取って声にする 「絶望を唄えるのは  希望を知っているから」 永遠だった夜の季節に 今はもう帰れなくても 君が呼んでいる 心配しなくていい また巡っていくから
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