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そんな私の節制ぶりを母はいつも笑っていた。
ときには「彩子はケチやねぇ、
私にはよくわからんわ」
とも言い放った。
私が子どもたちには高価なものは
誕生日やクリスマスにしか
与えないことを知ると、
「梨子と七海はかわいそうやねぇ、
こんな窮屈な家に生まれて」
とも言ったものだ。
こんなふうに、母は節約してお金を貯める私を
よく小ばかにしていた。
母にすれば、
決して悪気はなかったのかもしれないし、
「もう少し贅沢してもいいんじゃない」
って言いたかったのかもしれないが、
私は父と母がお金のことで喧嘩ばかりしている
そんな家庭に育ったので、
お金がないという恐さを
嫌と言うほど知っていたのだった。
と同時に、母のその言葉は
「だから私はお前と合わないんだよ、
お前のことが好きじゃないんだよ」
と言っているような気がしてならなかったのである。
親に愛してもらった記憶がない私には
どうしてもそうとしか受け止められなかったのである。
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