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その時、鋭い痛みと直接体の中を炙られたかのような熱さ、鈍い苦しさと体の中に直接ドライアイスを当てられたかのような冷たさが、同時に俺を襲った。
「これは…人間!?なんでこんな所に!?…いけない!早く治療して助けないと…」
「へん、どうせ時空の歪みか何かに巻き込まれて来たんだろ!?どうせこんな所にいたら、馬とかに喰い殺されて苦しんで死ぬのが落ちだし、私ら二人に殺されて死ぬのは、楽な死に方で良かったんじゃねえの?」
そんな、二人の言い争ってるとも思える声が、頭上から聞こえる。
いや、そんな事より体が暖かい?
まるで、何かが湧き出す寸前のような…
『サア、ハジメヨウジャナイカ。メザメノトキハチカイ』
…!なんだこの声?初めて聞いたはずなのに、懐かしいような気がする…駄目だ、頭が痛い。
頭の痛みと暖かさがピークに達したその時…
パキッ…ゴウッ
ナニカが壊れる音と同時に、俺の中から力が吹き出してきた。
「!?…何ですかこの力!!いけません!早くこのデタラメな力をどうにかしないと、主でも…」
「!?…オイオイ、こりゃ洒落にしてはタチが悪いぜ。魔王さんでもどうなるか…」
…スゴい、この力。
自分でも、底が全く見えないぜ。
だが、取り敢えずすべき事は決まってる。
先ずは…
「主よ、お許し下さい!この得体の知れぬ者を滅する事を!![ホーリースピア]」
「悪りぃが、あんたが私の驚異となる前に殺させて貰うぜ。[ダークフレイム]」
俺を攻撃した、躾の悪い駄馬二匹を、お仕置きする。
スパコーンスパコーン。
「…人をイキナリ攻撃するとは、威勢が良いなぁ。」
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