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「う…うん。」
〝そうだ…俺とってニーナの間に歪んだ気持ちなんて……。〟
と、悟も不安を飲み込み前をキッと向くとぎこちないながらもニッと笑って見せる。
「ふふふっ。
頼もしいわね。
もし、不安に押しつぶされようものなら、この場で吹き飛ばすつもりだったわっ!
娘もろとも…」
恐ろしい事を言うユマに、悟とニーナは息を飲む。
「それに比べ、ミーナの旦那は……。」
はぁ……と激しくため息をつくユマ。
どうやら、ロクでも無い奴らしい。
悟は、ミーナの旦那を想像し、歯をぎゅっと噛み締める。
そして、今まで白目を向いていたルーシが、突然起き上がり、ユマに食らいつく様に飛びついた。
「ミーナたんの旦那にあったのか!?」
「無礼者!!!」
もちろんルーシは爆発するも、今度は強い意志で気絶することは無い。
それどころか、より食い下がっていく。
「気絶はせぬ!絶対せぬぞ!!
教えていただきたい!どんな奴でした!?」
「ヒィ!気持ちが悪い!」
あまりの熱狂振りにドン引きするユマであったが、
「私も聞きたいデス
お願いするデス。お母様。」
「ニーナ……。」
と言うニーナの真剣な姿にユマも折れた様で、ゆっくりと話しだした。
「娘の旦那を悪く言うのは気がひけるけど、酷い旦那だったわ。
ミーナを世界征服の道具にしか思っていない様な……
拷問にかけようかと思ったのだけれど、逃げられてしまって、それ以来所在不明なのよ。」
「くぅー!許せんぞ!
ミーナたんを!!ぶっ殺してやる!!」
「それと同時にミーナも死ぬデスが。」
「くっそぅ!!!
せめて別れさせぬば!!!」
怒り狂うルーシに、ユマはうんざりした様で、おもむろに指輪の解除方法を話し出した。
「指輪の解除方法はただ一つ…
二人の愛が冷めきった時に、魔力を枯渇させる事…
それ以外に方法はないの。」
「なるほど!ならば簡単ではないか!
ミーナたんがべたぼれするわけが…」
ルーシがそこまで言いかけ、回りを見回すとチャンも悟もニーナも絶望に満ちた表情を浮かべていた。
「あ…あれ?」
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