お母様の修行は辛いデス!

6/10
前へ
/23ページ
次へ
「わーい!綺麗なお空だ! まるで、天に帰省してるみたいだよ。」 「るぅーしぃー!!! 本当に帰省してるからぁぁ!!」 「うふふ……」 「ありゃあ、届かんよ。 まぁ、すぐに戻ってくるじゃろ。」 と、呆れ顔で、チャンはルーシが下りてくるのを待っている様だ。 「それに榊悟? 人の心配をしている場合じゃないと思うけど。」 と、ルーシに気を取られていた悟に、ユマが拳をゴキゴキと鳴らし近づいてくる。 「あ……。あぁ………。」 と恐怖にかられ身動き一つ出来ない悟に、ユマは、頭をそっと優しく撫でた。 「へ?」 「さっ。魔力のコントロールの練習始めましょう? 一応、暴走せずに変身はできる様になったみたいだし。 おりの特訓はうまくいった様ね。」 「え……あ………。」 今になってその事に気づいた。 魔力をコントロールする為の第一歩を自分でも気づかないうちに踏んでいた様だ。 「んー?何故だかわからないって顔してるわね。 簡単な話。 魔力に対応出来るだけの強い心臓を手に入れたってことかな?」 〝あの特訓にそんな意味が!?〟 だからと言って、あんな思いをした事の理由にはならない。 〝もっと楽な方法はなかったのかよ!〟 と、悟は口に出さず憤慨する。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加