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騙されている感バリバリで、どうしても躊躇してしまう。
単なる飴なら良いが、魔王剣が封印された飴と言われれば、賞味期限とか、食べた後の副作用がありそうで、可愛いピンクのパッケージが怪しく見えてしまう。
「…………。」
「早く食べなさい!」
「………!えーい!!!」
袋を開け、勢いで飴を口に入れると口の中にイチゴの味が広がる。
「あ……うまーい!」
「何を怪しんでいたのか……。
まぁ、噛まずに舐めていればイチゴ味のままよ。」
「えっ?」
悟の口の中でバリバリと音を立て、飴が噛み砕かれている。
「あー。やっちゃったぁ。」
と、ユマの表情が悪どく歪む。
悟の口から黒い煙がもわりと吹き出し、それが毛穴から入っていく。
「いてー!?ピリピリする!!」
「死にはしないから、安心しなさい。
魔王剣が、貴方の魔力と同調してるだけだから。
じき、痛みは消えるわ。」
「あー!!!」
悟は、全身ピリピリと痛みを感じ、そのまま倒れてのたうち回る。
その姿を恍惚とした表情で見下してくるユマは、間違いなくドSなのだろう。
〝この人鬼だ!!!〟
と、半泣き状態で、身を縮ませる悟であった。
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