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「いや…、何故殺さねばならないのか理由を…」
〝いきなり、娘を殺せとか言われても…〟
あったことが無いとは言え、ミーナは悟の義妹であるわけで、ためらいが無いわけでは無い。
サタンとってニーナと同じ娘であるミーナを殺せとは尋常では無い事態だとも思える。
ことの理由を聞かなくては動けないし、できれば穏便に済ませたいと言う気持ちもあるのだ。
「実はな…
ニーナが召喚されてすぐに、ミーナまでが召喚され、契約となってしまったんだが…
その相手が悪かった…」
サタンは哀愁を漂わせながら背を向けると小刻みに震えながら言う。
「このままでは…ミーナはカオスを…産み出してしまう…
頼む…ミーナを…
ころ……うぅ…」
サタンの表情から、娘を殺せと言う方も辛い事態だとわかる。
悟も険しい表情を浮かべ、拳を強く握るとサタンに背を向け謁見の間を後にする。
「わかりました。
少し…考えさせてください…
行こう…
ニーナ…ルーシ…」
「うむ。」
「デスね。
私の部屋に行くデスよ。」
悟達を背に涙を流すサタンを後に、悟達は一度ニーナの自室へ向かうのであった。
そして、ニーナ自室…
大きなカーテン付きのベッドとクラッシックな椅子とテーブルのあるベランダ付きの部屋で悟達は椅子やベッドに座りうつ向いていた。
「ミーナを殺さなくてはいけないデスか…
無駄肉が無くなれば良い話ではないのデスね。」
「ミーナたんを殺すことなんて俺には出来ない!」
「………。無駄肉はともかく、
何か助ける方法はないのか…」
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