ヘタレ☆ハロウィン大作戦

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「すみません。お父さんたちがいない間に、理さんに渡したいものがあるんです」 「ん?」  かのこちゃんは押入れの中からオレンジの包みを出した。  俺はわけも分からず渡された包みを受け取った。  その場で開けると、中にはカボチャ型したカボチャ色クッキーがいくつも入っていた。 「理さんはこんなの食べないかもしれないけど……あの、好きじゃなかったら捨てちゃってください、私全然そんなの気にしないんで」 「捨てるわけねえだろ」  俺はクッキーを半分かじった。  素材の自然な甘みを生かした味は俺好みだった。 「……美味いな」 「よ、よかったぁ」  かのこちゃんはほっとして笑顔をこぼした。   「深夜、みんなに気付かれないように暗い中で作ってたので、変な味だったらどうしようかと思ってたんですけど」 「何、自分で食ってないの?」 「……元々そんなにいっぱい材料使えなかったし、数が減っちゃったら嫌だから」 「1枚どうぞ」 「いや、いいです」 「俺がもらったんだから、俺がこのクッキーをどうするか決める権利がある。食べろよ、かのこちゃん甘いの好きだもんな」
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