ヘタレ☆ハロウィン大作戦

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「ひぃっ」 「さ、これで文句はねえよな? 先生」  腰につけたウォレットチェーンを耳元で揺らすと、めぐるの体は小刻みに震える。  ……まだチェーンで叩いてねえのに条件反射を起こすとは、とんだヘタレ野郎だ。   「恨めしい目で菓子の包みを見る暇があったら、その菓子を買う金でも稼いだらどうです?」 「ぐぬぅぅ……」  俺は定位置であるめぐるの真後ろには戻らずに、部屋の引き戸に手をかける。  引き戸が僅かに開くと、ラクシュミはするりと隙間を通り抜けた。 「ど、どこにいくんだい伊藤君?」 「俺がいないことを喜んでねえで書けよ? ……いいな?」 「は、はいぃい」  間抜けな返事を聞くのを半ばに、ピシャリと戸を閉めて、俺はラクシュミの後について行く。  ラクシュミは時々振り返って、急かすように「みゃー」と鳴く。
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