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青天の霹靂
私たちは息を切らせながら
ダッシュで駅の連絡通路を走っていた……
JRから地下鉄に乗り換える事、数分……
ホームを出て、約束した場所へ向かうと
すでにヒサシが到着していて、なんとか合流を果たした……!
「おせーよ!お前らっ! 早く!早くっ!」
ダッシュで駆け寄り、その場から辺りを見渡した後
タクシーを捕まえて、私たちは勇み足で乗り込む……
車はそのまま……海岸通りを南へと向かって走り出した……
「あぁぁぁぁ…… つ、つかれたぁ~……!」
トールの疲れ果てた声が聞こえ
その横でアサキちゃんも、息を切らしながらこれに続く……
「ごめんね……運転手さん……
無理言って5人も乗せてもらって……」
これに運転手さんも
「まあまあ! いいって事よ!
嬢ちゃんたち……ずいぶん急いでたみたいだしな……!
そんな大した距離じゃねぇから気にすんな!」
そう言って大声で笑っていた……
気さくな運転手さんで良かった……
だいぶ上がった息も
落ち着きかけて
私は車の窓から……外を眺める……
窓の外にはガラス細工のような
煌めいたビル群が立ち並んでいて……
その向こうは夜の東京湾……
彼方に……お台場の観覧車の光が見える……
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