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「す、すごい所だよなぁ……
俺、汐留なんて初めて来たけど……
こんなに……綺麗なんだぁ……!」
珍しくヒサシが、夜景に感動していて
それがちょっとだけ……可笑しかった……
私たちがいつも遊ぶ、渋谷の街も……
特に夜の渋谷は……同じくらい……きらびやかだけど……
汐留という場所は……なんていうか……
近寄りがたい、大人の魅力を……携えている気がする……
煌々と漏れる……ビルの灯りに
助手席に座る、ユータの横顔が照らされると……
私はさっき……電車の中で言われた言葉を思い出して……
思わず……赤くなってしまった……
「……つぼみ……ごめんな……
こんな事になっちまって……
パレードの埋め合わせは……また改めてするからさ……
今度は……二人きりで……な……?」
なんだか……残念だったような……ほっとしたような……
それでも今日は……かえって
こんな展開になった事に……
ちょっとだけ安心してる自分がいる……
デートを中断してまで……私たちが衝撃を受けた大事件……
その答えはここ、竹芝埠頭から
ちょっと……歩きでたどり着くには困難な
高層マンション群の一角にあった……
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