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夜だというのに路地裏は明るい
まるで花火でも打ち上がっているのかと疑う程の、綺麗な赤が何度も点滅する
そこには多くの警官がいる
その中の一人
とても貫禄のある人が地面に伏せている男に近づく
「あぁ…
またこの事件か」
ここ最近頻発している事件
笑うピエロと言われる殺人事件だった
決まって襲われた人の周りにはトランプが落ちている
それも丁寧に一枚を残して全部裏になっている
だがジョーカーだけは表になっている
まるで自分が犯人だと笑うように
そして決まって襲われるのは魔法使い
この世界でも数の少ない特異体質の人が集中して狙われる
「一体誰がなんの目的で…
とりあえず鑑識にまわしといてくれ」
男は振り返り若い男に話しかける
「漣(サザナミ)今晩も俺と一緒に残業確定だ」
「まじっすか不知火(シラヌイ)先輩…」
「残念ながらな…
俺の目でも痕跡が一切追えないから、多分鑑識に回しても無駄だからな」
「じゃあとりあえず戻りますか魔導式特捜部に」
そして二人だけパトカーとは違う
それぞれ乗ってきた黒いバイクに乗り、どこかへと消えていった
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