第1章

3/3
前へ
/3ページ
次へ
夜だというのに路地裏は明るい まるで花火でも打ち上がっているのかと疑う程の、綺麗な赤が何度も点滅する そこには多くの警官がいる その中の一人 とても貫禄のある人が地面に伏せている男に近づく 「あぁ… またこの事件か」 ここ最近頻発している事件 笑うピエロと言われる殺人事件だった 決まって襲われた人の周りにはトランプが落ちている それも丁寧に一枚を残して全部裏になっている だがジョーカーだけは表になっている まるで自分が犯人だと笑うように そして決まって襲われるのは魔法使い この世界でも数の少ない特異体質の人が集中して狙われる 「一体誰がなんの目的で… とりあえず鑑識にまわしといてくれ」 男は振り返り若い男に話しかける 「漣(サザナミ)今晩も俺と一緒に残業確定だ」 「まじっすか不知火(シラヌイ)先輩…」 「残念ながらな… 俺の目でも痕跡が一切追えないから、多分鑑識に回しても無駄だからな」 「じゃあとりあえず戻りますか魔導式特捜部に」 そして二人だけパトカーとは違う それぞれ乗ってきた黒いバイクに乗り、どこかへと消えていった
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加