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彼女の家に移動して、短くても多分明日に日付が変わるまでは眼を開けなさそうな彼をベッドに横にさていると横から優しく、
《さすが冬ですね。気を利かせて薬草投薬してくれて、ありがとぅ。》
と云われ、彼女の身に不服ながら従うしか無い予期せぬ何かが起こったらしいと勘づいたユキは、率直に真相説明だけを求めた。
「何があったんです?陽菜の事も絡んでそうですけど?」
すると珠里夜はベッドに寝かされた陽菜に申し訳なさそうな視線を向け、傍に立つと口を開く。
《本当に、今年いっぱいになってしまったんです》
「今年って…‥っ、まさか!」
《ええ。十二月いっぱい。新年明けたら早々に春は三番目の育母の元。私は夏神様を引き取る事になりました。》
「なんでまた急に!?」
ただ驚くばかりのユキに珠里夜は、前々から相談を受けていた事だが、夏神様がとにかくヤンチャで…その分神力も能力もある程度自己開花させているのだが、一癖も二癖もある性格でなかなか思うように教育もしつけも出来ず、彼の育母は手を焼いていたのだが、ついに冗談と称して手造りパチンコで虫入り蛇の脱け殻を投げ付けられ、もぅ我慢出来ない!!!…‥となってしまい、早く育母交代して下さい!あんな野生動物みたいな子…いくらセクシーな色気を持ってたって鑑賞を楽しむ事も出来ないわ!!むしろ、こっちが疲労して過労で倒れちゃうわよ!!分かったら年明け早々に育母交代しなさいよ、この妖怪!と、半分殴り込み的泣き付きに来たのだと説明した。
《女の子のような春神様は扱いやすくて私の苦労なんか分からないでしょう!と云われましたよ》
「そいつ、脳無しですね」
《でしょう?‥ったく、これだから面倒な輩は嫌いです。》
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