第1章 水難の相

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《…すまない》 「オレの事なんか心配いらないよ 本当よかった」 《でも住む場所…》 「な~に オレが稼いで火事にも負けないスッゲ~家建ててやるよ♪ だからオーチャンは体なおして…」 家は全焼しあの占いどおりオレは住む場所を失った… 「全部ダメだな~」 【…ワンワン♪】 「無事だったのはお前だけかぁ」 【ワンワン♪…】 「今晩は野宿か?」 オレは仕方なく仕事場の事務室に忍び込んで眠った。 【…ワンワン♪】 「シッ~ 親方っ今日だけ すみません…」 【ワンワン… ワンワン】 「ペル煩いぞ~…」 【ワンワン】 「ヤバッ!…」 「勝!?」 「・・・」 【ワンワン♪…】 「あっペルッ!」 「・・・」 【ワンワン ワンワンッ…】 「やめろペル!」 ペルが親方に飛び付いてじゃれている光景にオレは恐怖した 「…ワシが嫌いなもんは?」 「いっ犬です」 「そうだな! 知っててなんでここにいる?」 【ワンワン♪…】 「煩い!」 「ペル…」 オレは土下座をして火事の事を話した 「・・・」 「なるほど それは大変だったな」 「そっそうなんスよ♪」 「調子に乗るな! それでも犬はダメだ」 【…ワンワン♪】 「やめろ~…」 親方はガキの頃に犬に噛まれて犬が苦手だったのだ
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