第1章 水難の相

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「・・・」 『…おいっ!』 「…ペルッ!」 『お前仕事はいいのか?』 「…っ!」 『・・・』 「すみません つい! ペルだと思ったんス」 『…さっさと離せ!』 「あ~…」 『お前は失礼な奴だな』 「えっ?」 『私のどこが毛むくじゃらだ』 「…プッ! 毛むくじゃらって あんたが起こしに来たから間違えただけっスよ」 『・・・』 「オレを起こすのはペルが多いから…」 【ワンワン♪】 「おうペル♪」 『…はぁ~』 「ゲッ! 遅刻じゃん!?」 『・・・』 「じゃあヨロシク…」 オレは剛さんにペルを押し付け家を飛び出した。 「…セーフ!」 「危な~い」 「えっ?…」 「・・・」 「マサル!?」 「出た! 水難の相…」 「あ?」 「大丈夫か?」 「・・・」 「災難続きだな~」 ペンキまみれの服を脱いで作業服に着替えたオレはペンキまみれの服を剛さんに弁償するため連絡をとった 〈…はい玉木ハウジングです〉 「あっ え~と玉木さんいますか?」 〈…どちら様ですか?〉 「え~と…」 〈どのようなご用件でしょうか?〉 「只野勝です!」 〈はあ? …だから何の用ですか?〉 「えっと だから洋服を借りてて」 〈…貴方は何を言ってるんですか?〉 「もういいです!…」 電話の対応があまりにもバカにした態度についキレて電話を切ってしまった… 「オレ そんな変な事いったのか?」 「お~い勝!」 「…はい今、行きます」
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