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だから、いつも池の側には近づかず外側の道をぐるりと歩いて回っていた。
猿沢池を通りすぎるとすぐ三条通りに入る。
西へ下ると、左側にお茶屋さんが見えた。
「おはようございます」
暖簾をくぐって声をかけると、目の前に大きな壁がそそり立っていた。
「痛っ」
気づくのが遅れた私は、その壁に激突して。
「大丈夫か?」
聞き慣れない男の人の声に、ぶつけた鼻を押さえながらそっと顔を上げた。
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