1300年の恋

6/11

341人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
はんなりとした顔立ちの男の人が私の顔を覗きこんでいて。 びっくりした私は、一歩後ずさった。 「ごめんな、鼻打った?」 少し目尻の下がった優しげな眼差しに、驚きながらも頷いて。 「ごめんなさい、気づかなくて…」 「鼻、見せてみい」 「や、大丈夫やから」 「ええから、見せ」 強引に手を退けられてしまった。 「ちょっと赤くなってるな」 じっと私の顔を見たその人は、ニコッと笑って。 「痛いの痛いの飛んでけ~」 そう言いながら、私の鼻を優しく撫でた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加