1300年の恋

7/11
前へ
/11ページ
次へ
「なにしてんねん!」 「痛っ!なにすんねん!」 突然現れた手が、目の前の頭をはたいて。 私の鼻を撫でていた手は、今は叩かれた自分の頭を撫でている。 「春ちゃんごめんな、これ息子の雅紀やねん」 叩いたのはこの店を経営している田村のおじさんで。 「お前、春ちゃんに手出すなよ」 「出してへんわ」 目の前で親子喧嘩を始めてしまった。 「あの」 口を出すのも申し訳なく思ったが、開店準備をする時間が迫っていた。 「ああ、ごめんごめん。お茶やんな」 おじさんはすぐに察してくれて、奥からお茶を入れた袋を持ってきてくれた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

342人が本棚に入れています
本棚に追加