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時折
吹きすさぶ風に
音符を揺らす
おちば 落ち葉 オチバ
イチョウ並木の下を
颯爽と行き交う
学生らは
抑えきれない
胸のトキメキと
いろとりどりの
マフラーを
きらびやかに
靡かせて
踊るように
歩いている
枯れゆくことなど
知らぬかのように
楽しげに
笑いあい
恒星の輝きを
放っている
やがて日が
明日へと傾き
より濃く
黄金色に染まる
辺りいちめん
並木道は
光の糸を編みこんだ
トンネルのようで
影さえ
遮っている
まるで 寓話の世界
ひらひらと
空へ降る
黄色い轍を
追いかけたなら
輪廻などを
信じてみようか
ひよどりの囀りは
時を
祝福している
カゴメ カゴメで
老いも若きも
急ぎだす
明日もきっとそう
あさっても きっと
秋風に
いちょう 扇がれ
実は落ちて
我が足跡を 隠しては
おしとやかに 横たわる
悟りを開きて
なお 奏でる
おちば 踏みしめ
アコースティック
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