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「……で、執事さんにはこれ」
「私もですか?」
「当然です。執事さんも今日は仮装パーティーの招待客なんですから、これが正装ですよ」
そう言って理名は黒い布を差し出した。
京介が受け取りそれを広げると、それは背丈程の長さがあった。
「これは、マント……ですか?」
京介が理名に尋ねる。
「そうです!執事さんの何時もの燕尾服にこれを足して、今日は吸血鬼になってもらいます」
仮装に戸惑う京介を他所に、理名は嬉々としてそう言った。
「執事さん程の大人の男なら絶対似合いますって! ね、まゆら!!」
「えっ!?」
突然賛同を求められ彼女が何も返せずにいると、
「確かに執事さんなら、これ以上の小細工はナシで華になるわよね」
横から彩花がまゆらの肩肘をつついて耳打ちした。
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