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規模は小さいがダンスホールが有り、その端の立食形式のテーブルには、ハロウィンをイメージしたお菓子や料理、シャンパンやワインが色鮮やかに並んでいた。
「賑やかだね」
広間を見渡し気分を高揚させながらまゆらが言う。
そんな彼女に相槌を打った後、
「私は側に控えておりますので、何かあれば声を掛けて下さいませ」
と、まゆらに軽く頭を下げた京介は一行から距離を置き壁際に立つと、理名や彩花、そして他の招待客と楽しそうに会話する彼女をそっと見守った。
それからしばらくしての事だった。
「ドリンクをどうぞ」
と、京介は声を掛けられた。
声のした方を向くと、ホールスタッフのユニフォームを身に纏った男が、京介の側に立っていた。
目を引くのは鮮やかな青い髪の毛と、左耳で揺れ、唇の端にも付けられたゴールドのピアス。
そして彼の持つ銀色のトレーには、パールのように光を放つオレンジ色のドリンクが乗せられていた。
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