守りたいもの

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ギルは明確な質問をルーシーに投げつけた 召還された幻獣は本来召還者と契約する 契約すると幻獣は召還者の命令を聞く 『〈銀色の狼〉様を連れて来いと言われたわ、でも私〈銀色の狼〉様のお顔を知らないから、シュウの波動が〈銀色の狼〉様のだったのでてっきり』 ルーシーはヒロシをチラッと見て言った 「シュウは俺に偽装出来るんだ」 ヒロシがタバコに火を付け言う 『述師の命令は、まだ効力あるのか?』 『本来私達幻獣は聖獣と〈銀色の狼〉様を主としてるから破棄したわ』 「破棄なんて出来るのか?」 シュウが聞くと、ルーシーは得意気な顔をし 『私くらいの能力があればね』 「幻獣使いのセシリアなら破棄出来ねぇけどな」 今度はヒロシが得意気に言った 『え?何何?幻獣使いが居るの?』 ルーシーの食いつきにギルが驚いた 『ルーシー、幻獣使いと言っても男も知らないガキだぞ』 『はぁ?ガキ?』 「ガキで悪かったわねギル、シバくわよ?」 ドアの方を見るとセシリアとアランツが立って居た 「へぇ~、随分美人な幻獣ね」 セシリアがルーシーを見上げ言う 『ちょっと!この子どんだけよ!第1大将だって適わないじゃない!』 ルーシーが慌てふためいてヒロシの後ろに隠れた 「セシリア、ルーシーを俺とギルが呼んだら使えるようにしてくれ」 ヒロシが言うとセシリアは頷いて 「我命ずる幻獣ルーシー、我と聖獣ギル、〈銀色の狼〉ヒロシ・クランツに従え」 そうセシリアが言うと、ルーシーは膝をつき 『仰せのままに、私幻獣ルーシーは命を懸けお使い致します』 と言った 「リョウガの方はどうなったの?」 アランツが言うと 「リョウガの話しだと何もされてないと言ってた」 「メールの事は?」 「リョウガの勘違いだとよ」 ヒロシがアランツと話していると、本部から通信が入り、アランツとセシリアは戻って行った ルーシーはセシリアの幻想空間に入り、ヒロシは一安心した 「賑やかだったな」 シュウが苦笑いして言う 「まったくだ、シュウは暫く身辺に気を付けろよ」 「ああ、さっき帝国にも言われて今日からまた城泊まりだ」 シュウがコーヒーを入れながら応えた
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