守りたいもの

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「でもさヒロシ、アルクシエルの情報って言ってもどうやって調べるんだ?ムーランの国民や近隣国民が知ってるとは思えないんだけど」 シンヤがアイスコーヒーをテーブルに置き言った 「調べようが無いから聞き込みすんだよ、ルシア達の記憶を視てもめぼしい記憶は無かったしな」 ヒロシは溜め息をつきながら言った 「カジャの方には誰が行くんだ?」 タカシが言うと 「もちろんサトシだ、ミーシャに会いたいだろうしな」 ヒロシがニンマリと笑って言うと、サトシがコーヒーをむせた 「俺とリョウガ、シンヤはムーランに行く、サトシ、シュウ、マサトはカジャに、他は帝都に残す」 「他の特殊部隊は?」 「各々決めてあるからもう向かった」 「アイツらは?」 「アイツら?ああ、メサ達は帝都に残させた」 「なぁ?シルンは大丈夫なのか?ミーティングにも出て来なかったし、思念送っても返事ねぇし」 リョウガが心配そうに言う 「シルンはランを慕ってたからな」 シュウがポツリと言った ヒロシは黙って何も言わなかった 誰もがシルンはランの側に居ると思っていたのだ、まさか帝都から既に出て行ってるとは思っていなかった 「シルンには後で俺が話す、お前達はすぐ準備しろ」 そう言うと、ヒロシは食堂を出て行った 「サトシ行くぞ」 シュウとマサトがサトシと一緒に食堂を出る 「リョウガ、行きは俺が運転するよ」 シンヤがリョウガと揃って通路を歩きながら言った 「リョウガ?」 「え?あ悪い何?」 リョウガがハッとしてシンヤを見た 「どしたんだ?調子悪いのか?」 「いや何でもない大丈夫だ」 ぎこちない笑顔をし応える 《他言すれば仲間の命はない…か、って事はやっぱり透視されてるのか?》 リョウガはアルクシエルからのメールを思い出していた [協力してほしい] 「はぁ~」 溜め息をつくと、シンヤがリョウガを見た 「何か悩み事か?金以外の事なら聞くぜ?」 駐車場に向かうエレベーターの中シンヤが言った 《遮断シールドを張れば透視も出来ないか、シンヤだけに話してみるか…》 「なぁシンヤ…!」 リョウガはシンヤに顔を上げ驚いて振り返った 「リョウガ?」 また前を向いて 「嘘だろう……」 シンヤの後ろを指差して言った
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