守りたいもの

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〔お前にしか見えないぜリョウガ、見張られてる事を忘れるな〕 〔てめぇ何者だ〕 「リョウガ?リョウガ!」 シンヤの声にハッとすると、エレベーターの扉が開いた 「大丈夫か?誰に思念送ってたんだ?」 「え?」 《やべーシンヤは能力高いんだった》 「いや、ちょっとな…ははは」 リョウガは無理矢理ごまかしてエレベーターを降りるとサッサと歩いて行った 「リョウガ大丈夫か?そっちじゃなくこっちだ」 シンヤが逆の方を指差して言う 「どうしたんだ?変だぞ?」 シンヤは黙って歩くリョウガに言ったが、リョウガは何も言わなかった 「あれ?ヒロシは?」 駐車場に集まってるマサト達に言うと 「今来るってよ」 サトシが運転席から顔を出して言った 「サトシ、ミーシャによろしくな」 シンヤが言うと、サトシは嬉しそうに笑顔を見せた 「リョウガ?何ボケッとしてんだ?行きはお前が運転だろう」 ヒロシが走って来て言うと、リョウガはビクッとして 「あ?ああ悪い」 と言って運転席に回った 「どうしたんだ?」 ヒロシが助手席に乗り言うと、エンジンをかけたリョウガが 「いや、何でもない出るぞ」 と言って、オペレーターに通信を始めた 『了解、出動オールクリーンです、お気を付けて』 オペレーターが返事をすると、リョウガはアクセルを踏みメインロードに出た 「ムーランに着くのは明日の夜だな」 シンヤが言うと、ヒロシが頷いて欠伸をした 「ヒロシ、お疲れか?」 「んー?まぁな、このところ解放が多かったからな」 ヒロシは警戒心を完全に解いていた 「リョウガ」 「へ?!」 リョウガは飛び上がった 「「??」」 ヒロシとシンヤは顔を見合わせリョウガを見た 「何だよ」 「「いや、別に」」 2人が知らん顔すると 「なぁヒロシ、万が一、万が一だぞ」 「うん?」 「万が一だからな、本当に万が一だぞ」 「だから何だよ」 炎天下の砂漠地帯をトラックはムーランに向かっていた 「解った」 ヒロシの真剣な声が車内に流れ、シンヤは黙ってリョウガを見ていた リョウガは緊張したように、強張った顔をしている 「ありがとうな…」 リョウガは絞り出すように言った
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