守りたいもの

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一方、カジャに向かったサトシ達は 「なぁマサト?転送システムで行けば良くなかったか?」 「サトシ?お前は馬鹿か?転送システムなんか使ったら、アルクシエルにこちらの動きが丸分かりだよなぁ」 助手席に居るマサトが応えると 「なぁマサト?最近怖くなったな?」 「はぁ?何がだよシュウ、良いからリョウガを見張っとけ、あの思念は外部から入って来たものだ」 マサトはパソコンの画面を見ながら言った 「でもさ、良く気付いたなリョウは、やっぱりサイコキネシスなんじゃねぇ?」 サトシがタバコに火を付け言うと 「リョウが気付いたのは波動だ、アイツいつの間にか自分でセキュリティーを作ってたんだよ」 「セキュリティーを?!」 サトシが驚いた 「セキュリティーって言っても簡易的なモンだけどな、本部には無い波動を感知したんだ」 「それでもさ、すげーよリョウは」 「守りたいと思う一心だからだ、今自分に出来る最善の方法をリョウは見つけたんだろうな、俺達は戦闘が仕事だがリョウはオペレーターだ、サイコキネシスでもない自分がどうやったら俺達を守れるのか、リョウなりに考えたんだろうな」 マサトがタバコの煙を吐き言った 『万が一、俺が敵の手に落ちるようなヘマしたら殺してくれ』 少し前に、スピーカーから聞こえてきたリョウガの声 「リョウガもリョウガなりにヒロシや俺達を守れる最善ではないが、考えたんだろうな単細胞の頭で」 マサトはケラケラと笑って言ったが 「ったく、馬鹿なんだから…」 と囁いた 「リョウ、リョウガの方はどうだ?」 本部に残っているタカシがオフィスに入って来て言った 「馬鹿な事言ってますが大丈夫です」 「馬鹿な事?」 タカシは首を傾げた 「カジャに着くほうが早い?」 ユリが資料から顔を上げて言う 「そうですね、ムーランの方が遠いですから」 「リョウ今私を馬鹿だと思ったでしょう」 「思ってないですよ」 リョウが焦ったように言うと 「何焦ってるのよ、図星なわけ?」 「違いますって」 リョウは苦笑いして応える 「でも、大丈夫なの?仔犬二匹野放しにして」 「セシリア、お前もサラッと怖い事言うよなぁ」 クレハが言うと 「大丈夫だろう?親犬二匹も一緒なんだから」 とタカシが笑って言った
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