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『退任は死を意味する』
市長の頭にキラの言葉が重くのしかかった
「リョウは処刑されると言う事か…」
「正確には抹消されます、リョウの今までの全てを」
市長はキラを睨み付けた
「リョウはまだ17になったばかりだ!そんな子供を貴様達は戦争に利用し簡単に殺すのか!」
「なら聞くが、俺の息子達も18になったばかりだ、産まれながら狙われる運命を背負い、人類の存続を幼い双子に背負わせた、双子もリョウと変わらない普通の人間だ、幸せも未来も戦闘と言う運命に狂わされた」
市長は返す言葉を無くしていた
「市長、リョウは狙われる危険がある特殊部隊に居れば守る事も可能だ、俺も出来るなら退任させてやりたいだが、敵はリョウの存在を知ってる可能性がある」
「そんな………」
市長がガックリと肩を落としているところへ通信が入って来た
『リョウから定期連絡がありません、通信もエラーで繋がりません』
通信はニックからだった
「市長、特殊部隊は狙われる危険がある為休暇中も定期連絡が必要なんだリョウは家に居るのか」
「外出させるなとクローズに言ってあるので居る筈です」
「ニック、駐屯地に連絡してヒロシ達を行かせろ」
『了解』
市長は急いで自宅に電話を入れた
「クローズかリョウは居るか」
『はい、お部屋にノーイス様といらっしゃいます』
「ノーイス?」
『旦那様がリョウ様のお目付役にと雇われたのでは?』
「そんな者雇っていない!」
市長が言うとキラが携帯を奪った
「直ぐに屋敷から出るんだ」
キラが言うが電話は切れていた、直ぐにかけ直すが誰も出ない
「クソッ!特殊部隊を出動させろ!」
キラはオフィス隊員に怒鳴った
市長は何が起こったのかオロオロとしている
「奥さんも自宅ですか?」
「はい」
キラはアークの駐屯地に通信した
『特殊部隊は出動したか』
『はい、アランツ達が向かいました』
『ヒロシはどうした』
『リョウガとガイルの所です、通信切ってます』
『ったくあのクソガキ!直ぐマサトを迎えに行かせろ!』
『はい!』
「市長は此処に居て下さい」
「だがリョウは」
「我々が救出します」
キラはそう言うとモニターをつけた、モニターには市長の自宅が映る
「さぁてどう料理するか」
ノーイスはほくそ笑んだ
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