君の瞳に映りたい。

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くるみをリビングの隣にある寝室に連れて行き、寝かしつけると、瞳はソファに腰掛ける千恵美さんの隣に座った。 透明なグラスに入ったお茶を一口喉に流し込む。 部屋の隅に置いてある仏間に目を向けて、何かを思い出しているみたいに部屋中を見渡した。 「あれから、1年がたったのね。」 静かに瞳の口から溢れた言葉。 それを聞いて、少し俯いた千恵美さん。 「今日だってね、あんたんちの玄関に入った時、裕一さんがひょっこり顔出すんじゃないかって、思ったのよ。 変なの。もう一年もたったのにね。」 悲しげに微笑む千恵美さんの背中を瞳がそっと支える。 「まだ一年しかたっていないのよ。 私だって、まだ夢の中にいるようだもの。」 「そうよね。1番つらいのは瞳よね。私がこんなこと言ったらダメだわ。」 二人の言葉は宙を舞い、行き場をなくす。
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