第三章 『祇園に響く鐘の音は』

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しばらく窓に張り付いていると、コーヒーの香りが鼻腔を掠めた。 振り返ると、トレイを手にしている。 コーヒーとカフェオレが用意されていた。 「どうぞ、あの火縄を火種にして、淹れました」 優雅な物腰で、テーブルの上にカップを並べるホームズさん。 ああ、また、『次からは、カフェオレじゃなくて、コーヒーをお願いします』って言いそびれちゃった。 ホームズさんの淹れてくれたカフェオレが、とても大好きだから嬉しいんだけど。
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