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そっと手をつないで、
二人で色んな話をしながら、夜明けを待った。
ドキドキしているせいか、ちっとも眠くならなくて。
やがて少しずつ、空が明るくなり、
朝焼けに包まれる八坂の塔を見た時は、なんだか感動して涙が出そうになった。
初日の出だ。
「……綺麗」
「本当ですね。もしかしたら、夕日よりも綺麗かもしれません」
神々しいまでの朝。
この素晴らしい瞬間に、ホームズさんといられる幸せを噛みしめながら、互いに強く手をつないだ。
それは、新たな年の幕開けだった。
第三章『祇園に響く鐘の音は』
TheEND
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