『あの日』

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───夢を見ていた。 中学に入学したばかりの頃のこと───・・ 当時忌まわしき小学時代を何とか卒業できた沙樹は、 新しくできた友人に舞い上がっていた。 小学の大半は例によって、 ほとんど自分自身の存在を消したまま生活していたため、 生まれ変わったような錯覚を覚えていた。 それと同時に自分の能力(ちから)については、 細心の注意を払った。 数名の仲の良い友人の中に、 一段沙樹を慕ってくれる男の子がいた。 すでに当時身長が170センチ近くに達していた沙樹とは対照的で、 小柄で明るく元気な少年だった。
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