『あの日』

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そんな沙樹を両親は懸念していたが、 反面、再び笑顔を取り戻した沙樹を、喜んでいたようにも思う。 そのまま2学年になり、 再び『彼』と同じクラスになった沙樹は、 ますます信頼関係を深めていった。 そんな折英語の授業で、 自分の「宝物」を紹介するという課題が与えられた。 「沙樹くん、何にする?」 『彼』が尋ねてくる。 「う~ん・・」 小学校のときからはぶられ、 教室の片隅で地味に過ごしてきた沙樹に、 「宝物」と言われてもピンとこなくて。 しかしふと思いついて口を開く。
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