第1章

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別の日の放課後、教科書をカバンに入れてると…滅多に忘れ物をしない担任の先生が教室に入ってきた。 『先生~もう授業ないっすよ~』 部活に行く男子がすれ違いにそう言うと先生は苦笑いし頭をかき『忘れ物だ』ときまり悪そうに言い教壇の資料・テストの答案を抱えてた。 目だちめ女子は帰り支度をしながら先生をジッと見ていた。 私はガバンを持ち机から離れ教室を出ようとしていた。 バサバサ~…『あっ手が滑って答案が!』という先生の声とともに『掃除しようかな』っていう目だちめ女子の声がした。 1年女子トイレに行って出ると…目だちめ女子2人が息を切らしながらこう言った。『またデートなの、掃除頼んで良い?』…と。 『掃除しようかなって聞こえたのに?』 『先生いたからじゃん。ホウキ持ってやるフリしてたら先生テスト答案かき集めて出て行ったし』 向こうの廊下から、目だちめを呼ぶ声『約束じゃん、あたしに彼氏の友達紹介するってぇ~!バス出ちゃうよっっ』に反応し『そーゆう事!教室だから~』って私の肩をたたいて声のする方に走ってく2人。 あ~ぁ… またトボトボと教室に戻る私。トイレに行かずにまっすぐに部室に行けば良かった!誰もいなくなった教室の掃除を始める。 彼氏かぁ… 憧れていた放課後デート…つまんないよ(泣)。 部活延長をしバスに乗り手をながめる…カサカサだぁ。こんな手をしてちゃ彼氏どころか男子の友達さえ難しいかも… あたし10代の手じゃないくらいカサカサだもの… 本屋さんの店員さんと同じハンドクリームを塗る。 どうにかしなくちゃいけないのはわかっているけど…言葉が出ない… 『部活あるもん!やんないよ!当番じゃないもん!』…そう言えたらどれだけ気持ち的に楽になるかな? たった一言なのに… バスを降り今日はまっすぐに家に帰った。 にゃ~…玄関マットにミロがいて出迎えてくれる(泣)あぁ癒される(泣)… 学校…放課後が嫌かも…
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