第1章

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夕食を食べながらお父さんが言う。 『明日ハウスクリーニングの人が来るし…クリーニングが終われば引っ越しもいつでも良くなる。空き部屋もやっと埋まりそうだな』『お父さんの会社のお得意さんだったわね』 『そうそう』 『美和、ハウスクリーニング来る前にザッと部屋を見るから付き合ってね』 『なんで私も~?』 『マンションの部屋見たいかと思って(笑)』 『別にぃ~』 『1冊、漫画買って良いから』って言われたら断われないかぁ~。高校生にとってお小遣いがなくなる前に、そう言われると弱いみたい。欲しい本も見つけてたし…たまにはお母さんに付き合いますか。 空き地をはさんで建つマンション。『部屋見たいかと思って』お母さんが言うように見た事って記憶にない。 部活あるし帰りも薄暗くなってるし…マンションを購入して以来→1人でマンションを見に、は、行っていない。当然住人との交流もないんである。 たまにこの間みたいに頂き物をもらうけど…ほとんどお母さんが対応してるから住人との交流って私にはない。 スタイリスト?美容師?漫画家?そして、お母さんと職場が同じらしいおばちゃん。 どんな人なんだろう。
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