第1章

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『あら、吉井さんおはよう』 『佐々木さんおはよう、仕事行ってらっしゃい』 『吉井さんは今日は休み希望だったわね』 『空き部屋に今度入居者が決まってね、今日ハウスクリーニングしてもらうのよ』 『ひと部屋だけど広くて、足も、のばして入れる風呂だから私は気にいってるわ』 『ありがとう~』 『美和ちゃんね、おはよう』 『あっ、おはようございます』 『話はお母さんから聞いててね、頑張ってるそうじゃないの』 それが101号室の佐々木さんとの出会いでした。 102号室からは眠い顔をしながら窓を開けて、ココアを飲んでる住人と目があった。 『おはようございます、大家さん』 『漫画書いてらしたの?』『ネームに苦労してて徹夜明けなんです』 『藤永さんこの子はうちの娘で美和。美和こちらは藤永ゆうさん、漫画家よ』 窓際でお互い挨拶をする。『すみません、寝ます』って申し訳なさそうに言って窓を閉める藤永さん。 『もう1人の住人は明太子くれたあの松本さんよ。会ったらお礼言いなさい』 チャイムを鳴らす前に…バスローブを着た女性?男性?中性的な雰囲気の人が窓を開けてコーヒーを飲んでいた。 “ここは2人共に窓際でお茶するのが好きなんかいっ”そんなツッコミをしたくなってしまう。
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