第1章

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『あら、大家さん。おはようございます』 『松本さん、おはようございます。この間は明太子をありがとうございました』『あら、ご丁寧に』 『美和も』 はにかみながら私も明太子のお礼を言うとジロジロと頭から足まで見て…こう言う松本さん。 『良いのよ、明太子またいつでも頼むから。まだ冷蔵庫に3パックあるし。……それにしても、あなた地味ねぇっ!』 地味! 地味ぃ~! わかってはいても指摘されると腹もたつ~! けど初対面だから…我慢しなきゃ。 『あたしなら、もっと…』そう言って松本さんはコーヒーをテーブルに置いて私の前髪をかきあげて残念そうに笑った。 『103号室の松本さんよ、美和』 ふてくされ気味に挨拶をするとニヤニヤしながら挨拶を返す松本さん。 この人何者? 美和にとっては初対面のこの住人が美和の高校生活を変える人物だとは知るよしもなかったーーー。
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