《第2章》

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『待って~っ!』 民家・アパート・マンションが周りにある光景ならではの土曜の午後、学校帰りの制服姿の10代の集団・遊ぶ子供たち・買い物に向かう主婦・今から夜勤なのかネクタイをしめスーツにカバンのサラリーマン。 待って~っ…だなんて恥ずかし~っ!恥ずかし過ぎるっ(焦)。だけどっ 飼い猫ミロは、私の部屋から身軽にスイスイとまるで忍者のごとく俊敏に屋根や柵の上を飛び跳ねるような走りをされると…目的地が予想出来ないからこそ、の、『待って~っ!』と大声をあげながら走らざるをえない私。 周りの人達が私を見て何事?と一瞬見てはクスクスと笑って通り過ぎる。あぁ~恥ずかしいっ! 髪をふり乱しスニーカーに足を突っ込んだ人が『待って~っ!』と言いながら、前から走ってきたら笑うよね?あぁ~、恥ずかしいっ! 家→空き地→マンション…えっマンション!?マンションってこの間見に行ったあのマンション?けど疑う事もなくどこからかミロの鳴き声がする!(焦) 私はマンション敷地内の周りを一周し、今度は建物を下から上に見上げた。1階は何事もない感じでミロもいない。グルッと周り逆から建物を見る。 ミロ!2階、少しだけ開いた窓にぶら下がって前足を器用に窓枠にかけ《開けて~》とばかりに鳴いていた! 『ミロっ!何して…落ちるじゃない!』 慌てて2階に上がる階段を上がる…スニーカーが脱げそうになりながら。 2階の一室の前に私は立ってチャイムを鳴らした。 ここはこの間引っ越してきた菊地さんの部屋になる。
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