《第2章》

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『みんな集まってきたしぃ~…あの~猫をこっちに渡してほしいんですが~』 焦りと恥ずかしさが交ざった表情で私は菊地さんに催促をした。 待ってくださいよ…とばかりに猫を…じゃなく鍋を持ちそっと流しに移していた。流しから湯気が立ち込めかつおぶしの良い匂いがまた漂う。 『かつおぶしねぇ』と松本さん… 『ダシから取るのね、若いのに良いわねぇ』と佐々木さん… みんな部屋を覗いてそう口々に言う。菊地さんは気にもとめずに鍋を置き流しの中に移したであろう物をテーブルに置く。そして、手を拭いてから流しにへばりついていた猫をゆっくり持ち上げ…どうもどうもと苦笑いしながら玄関に来る。私はミロを受け取って抱っこする。ミロは、にゃ~にゃ~と名残惜しげに振り向いて台所を見ながら鳴いている。 『どうもありがとうございました、帰ろうミロ』 振り向くと私の後ろにいた住人らと目が合う。 『今日はまた一段と…ボサボサねぇ』 『なっ』 髪をふり乱し走っていたんだからわかりきった事を指摘されるとムカつくんですけどぉ~(-.-) 『走っていたんで』 『あらぁマラソン?ウオーキングかしら?ウオーキングじゃ髪はボサボサにならないわね』 『ミロ…鍋を見て鳴いてないでこの住人に噛みなさいよ』 にゃ~…鍋から私に視線を変えて、私が示す方に顔を向けるミロ。噛め噛むんだミロ~。激しくなくて良いからひと噛みだけで良いからっ。 その願いはむなしくミロは松本さんの服をかいで興味ありげに、にゃ~と鳴いて見上げてる。あぁ~… 『あなたの猫ぉ。【噛みなさい】って野蛮ねぇ!あたしの美貌に傷を付けたら許さないから…って思ったけど、良い仔猫ねぇ。可愛く鳴いてるだけ。きっと大家さんのしつけが良いからだわ』 むき~(-.-)💢
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