第1章

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猫皿に半分くらいのカリカリを入れると、足にすり寄ってたわむれていたミロはカリカリと音をたて美味しそうに食べ始めた。 “お腹すいてたんだ…ごめんね~” ミロの側で食べる様子を見ながら、申し訳なさそうにそう思う。カリカリの隣に置いた水を時々飲みながら食べるのに夢中みたい。 カリカリ…スーパーやホームセンターで売ってる5㌔入・かつお味仔猫用。お母さん、または私が、バスから降りて学校帰り時々このカリカリも買って帰ってるんだ。 ごめんね…私が断れないばっかりにカリカリも買って帰れないくらい遅くなって… 『美和~先に風呂入んなさい』 お母さんの声に中腰をあげミロから離れ部屋に入った。私の部屋は2階の南側で窓を開けると周りは民家やアパート・マンションが見える。薄いグレーの壁紙・黒と赤のストライプのベッド・液晶テレビとコンポがある至って普通の部屋…だけど落ち着く場所なんだ。そして、漫画がある本棚にはお気に入りがいっぱい。 青の上着を脱ぎ、ブラウスから赤と黒のリボンもスルリと落とし、リボンとお揃いのスカートも脱いでハンガーにかけファブリーズをふる。 せっかくかわいい制服なのに…放課後デートを夢見ていたのに…私は毎日断りきれず掃除ばかり(泣)… トイレ掃除した日には特に多めにファブリーズをふるんだ。 いつか放課後デートする為に制服だけでも10代らしい香りでありたい。
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