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勇はこの前の甲府での戦で無茶をした事で原田、永倉が離隊を決めてから落ち込んでいた。
「なぁ、勇。
元気だしなよ。
勇が元気がないと僕も悲しいんだけど」
「静……。
だが、俺はお前にも……」
勇は悲しそうな目をして僕の肩に触れてくる。
僕の腕はもう肩より上には上がらない。
勇のフリをしていた時に御陵衛士の残党に狙撃された。
「大丈夫だよ、もう痛みは無いんだから。
本当に勇は昔から優しいよね」
「せ…「近藤さん!」
勇が僕の名前を呼ぼうとした時、歳が部屋に飛び込んでくる。
「近藤さん、静!
此処は新政府軍に囲まれちまってる、だから早く逃げてくれ!!」
「な、新政府軍が!?」
歳の言葉に勇の顔が青くなる。
「今ならまだ俺が隙を作れる。
稽古に行った斎藤や隊士達とも落ち合う場所は決めてある。
だから「すまんが、俺は行かない」
「なぁ、歳……もう良いんだ。
お前が俺のために目をつり上げて今まで頑張ってきたことは知ってる。
だが、もう楽にさせてはくれんか?」
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