第1章 蒼くん

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今から私が言うこと、する事は、間違ってるかもしれない。 でも、どんなに惨めになったって、見られたって良い。 私には蒼クン以外いないの。 蒼クンと一緒に生きることが私のやりたいこと。 今は、離れるときなんだ。 言い聞かせて、言い聞かせて。 涙が滲みそうだけど、 口の端が震え上がりそうだけど、 今は笑ってやり過ごさないと。 「……はい、わかりました。じゃあまた 職場で。」 やっと電話が終わった蒼クンに、真っ直ぐ視線を向ける。 「ごめん、もも。」 「ううん。大丈夫だった?仕事」 「あ、うん。」 きのうまでの私は、蒼クンの仕事を気遣うなんてしなかった。 だから、蒼クンが少し戸惑ったのも解った。 切り出すなら今だと思った。 「蒼クン、今まで、たくさんありがとう。 いっぱい、いっぱい、幸せを貰えて、大事にしてもらえて嬉しかった。 ごめんね。私がワガママだから、蒼クンのやりたい事、素直に受け止められなくて。」 「もも?」 蒼クンが心配そうに眉を顰める。 「…私、もっとしっかりする。ちゃんと1人の大人として、色々向き合っていけるように。……いつか、蒼クンに相談とかもしてもらえる位、、しっかり、、、する、ね。」 こみ上げてくる思いが声を邪魔する。 けれど、ここで号泣するわけにはいかない。 してしまったら、また繰り返してしまう。 泣いて引き止めて、慰めて貰って、それで、蒼クンの気持ちを消費するのはもうダメ。 「だから、、蒼クンは全力出して夢を追いかけて、叶えて下さい。」 ぐずぐずな顔で言われても全く説得力はないと思う。 でも、これが今の私の精一杯なの。 精一杯の。 「もも。ありがとう。そう言ってくれて本当に、嬉しい。 正直、絶対ももは泣いてしまうと思ってたから。。」 「…っふふ、さすがにね」 私の女の意地。
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