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今から私が言うこと、する事は、間違ってるかもしれない。
でも、どんなに惨めになったって、見られたって良い。
私には蒼クン以外いないの。
蒼クンと一緒に生きることが私のやりたいこと。
今は、離れるときなんだ。
言い聞かせて、言い聞かせて。
涙が滲みそうだけど、
口の端が震え上がりそうだけど、
今は笑ってやり過ごさないと。
「……はい、わかりました。じゃあまた
職場で。」
やっと電話が終わった蒼クンに、真っ直ぐ視線を向ける。
「ごめん、もも。」
「ううん。大丈夫だった?仕事」
「あ、うん。」
きのうまでの私は、蒼クンの仕事を気遣うなんてしなかった。
だから、蒼クンが少し戸惑ったのも解った。
切り出すなら今だと思った。
「蒼クン、今まで、たくさんありがとう。
いっぱい、いっぱい、幸せを貰えて、大事にしてもらえて嬉しかった。
ごめんね。私がワガママだから、蒼クンのやりたい事、素直に受け止められなくて。」
「もも?」
蒼クンが心配そうに眉を顰める。
「…私、もっとしっかりする。ちゃんと1人の大人として、色々向き合っていけるように。……いつか、蒼クンに相談とかもしてもらえる位、、しっかり、、、する、ね。」
こみ上げてくる思いが声を邪魔する。
けれど、ここで号泣するわけにはいかない。
してしまったら、また繰り返してしまう。
泣いて引き止めて、慰めて貰って、それで、蒼クンの気持ちを消費するのはもうダメ。
「だから、、蒼クンは全力出して夢を追いかけて、叶えて下さい。」
ぐずぐずな顔で言われても全く説得力はないと思う。
でも、これが今の私の精一杯なの。
精一杯の。
「もも。ありがとう。そう言ってくれて本当に、嬉しい。
正直、絶対ももは泣いてしまうと思ってたから。。」
「…っふふ、さすがにね」
私の女の意地。
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