第2章 惣吾

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惣吾(そうご)という人が、わからない。 私のiPhoneを自由自在に操って、 何かをしてる気配がする。 マナーにしてるから、ボタン音は聞こえないけど、 衣擦れの音と、 恐らくミルクたっぷり、氷も山盛りの、カフェオレが入ったグラスを持って置く音が、 昨日、私の携帯を置いた机から聞こえるから。 何も出てきやしない。 難癖つけられそうなものは全て、 消去してるから。 そろそろ気が済んだだろうと思って、ゆっくり、緩慢な動作で今から起きるとサインを出してあげる。 「ん、……ん~。」 「起きた?まな」 「う~…ん、起きた、と思う。」 「寝覚め悪いからな。早く起きて、買い物行こう」 はぁ。 昨日寝る前に、 気分変わった。 買い物無しって言ってたのは誰でした? 慣れた事とは言え、 快くそんな気まぐれを受け入れられる訳ない。
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