第2章 惣吾

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けれど、私の体は惣吾に従う。 気持ちは行く気がないのに、惣吾が行くって言うなら、と。 いそいそと昨日乱暴に脱がされた服を集めて着込む。 ニコニコ顔の惣吾が着替える私を待つ。 上機嫌だと感じて嬉しくもあり、同時に悲しくなる。 私の携帯を見て何も気に障るものが無かったからだと、知ってるから。 惣吾の上機嫌と引き換えに、 私は何か自分の中の部品を一つ一つ 捨てて行っているような、 落としてそのまま見ない振りしているような そんな気持ちになる。 「忘れ物ない?」 「うん、大丈夫」
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