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目を覚ました柔乃さんは赤面したまま硬直してしまった。
出来たばかりの助手に自分が気絶するシーンを見られたことに対してか、はたまた、再び極度の人見知りが発動したのか、僕には分からなかったが、とりあえず、他己紹介はしてしまおうと思う。
「こちらが一応、柔乃さんの右のお隣さんで、斑晶鉱さんです」
「斑晶です。いきなり驚かせてしまってごめんね。怪我は無かったかい?」
と、柔和な笑みを浮かべて言った。
強面に反して、紳士的な斑晶に面を食らったらしく、柔乃さんはあんぐりと口を開けていた。
「……え、と……。こちらは柔乃笑顔さん。以前は老人ホームで事務職をしていたそうです」
陰陽師だと言うことは伏せた方が良いだろうと判断して、とりあえず、それだけ紹介した。
「……初めまして。柔乃笑顔です。20歳になります」
自ら年齢まで……余程緊張しているらしい。ボクとの会話がそつなくこなされているのを一番マヂカデ見ている分に、その高低差に、今度は僕が驚かされた。
「あっ、敬語じゃなくても良いですよ。僕、自分でも自分の年齢分からないし。それに、年上のお兄さんって柄でもないでしょ?」
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