0人が本棚に入れています
本棚に追加
大福を頬張るのは危ないと注意しながらも、その光景があまりにも眩しく、僕には直視出来なかった。
「そう言えば、大好きで思い出したんですが、今度また斑晶さんの所へ行くので、付き合ってもらえませんか?」
と柔乃さんが言った。
勿論、助手として柔乃さんの頼みなら喜んで同行させてもらいますよーーそう言おうとして、ある疑問が浮かぶ。
「……もしかして、まだ斑晶さんを怖い人だと思ってます? 大丈夫ですよ、あの人見た目に反して、超真摯ですから」
流石に毎回怖がられては斑晶さんが不憫だと思った。
「いえ! そうではないんですーー好物の話をした時、斑晶さんが水晶と言ったのを覚えてますか?」
「あー、そう言えば、したかもしれませんね」
それから数日後に中間テスト勉強で頭の中に知識を詰め込んだから少し記憶は曖昧だが。
「……え? まさか、柔乃さん、わざわざ水晶を買ってきたんですか!? それは流石に素直過ぎですって!」
あの人の一回分の食事のために、数十万単位のお金が動いたかと思うと若干引けてきた。
「いや、まさか。私にそんなお金はありませんよ」
「? じゃあ……」
最初のコメントを投稿しよう!