孤独な世界

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 「……ゴーレムの場合、筋肉である粘土が乾燥したら、どうなるんでしょうか?」  すると、柔乃さんは驚いたように目を見開いて、  「……びっくりしました。まさか、神鳥君がそこに気付くなんて」  少し失礼な言い方だが、どうやら着眼点は当たっていたらしい。  「はい。いくら人間に限りなく近付けたゴーレムとは言え、筋肉を形作っている粘土が乾燥したら、崩れ落ちて、骨や関節、そして、一番重要な核までが晒されてしまいます」  言うならば、家壁を壊して、柱を雨ざらしにするようなものです、と柔乃さんは若干怖い例え話をした。  「更に関節の上にそんなボロボロの筋肉を置いたら、上手に動かせないでしょう」  「こうして見ると、案外大変な妖怪なんですね、ゴーレムって」  「いえ、これはあくまでレアケースです」  緩やかに首を振り、否定する柔乃さん。  「普通なら、ゴーレムはただ動いて開発者の思うままなれば良い、道具としてのロボットのような存在です」  「……まるで奴隷のようですね」  「そうですね。ですが、斑晶さんを造った人は随分、彼のことを考えてくれたと思いますよ」
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