1.だったら俺に試させて

11/33
前へ
/89ページ
次へ
「だったら俺に試させて」 「ちょっと日高くん、何言ってんの?」  流石の私も一瞬にして酔いが覚めたらしく、あれだけ饒舌に喋り捲っていた口も、その言葉を最後にようやく口を噤んだ。 「丁度終電もないし、タクシーなんて乗ったら、5000円は軽く飛びますよ。だったら二人で泊まりません?ホテル」  いつも真面目で気遣いの出来る、可愛い後輩くんが、今、男の顔をして私を見ている。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4910人が本棚に入れています
本棚に追加