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「でも……」
そう言いながら、カウンターの下から荷物を取り出し立ち上がった。
途端、世界がグラつく。
よろめいた身体を日高くんが支えて私の腰を抱いた。
「大丈夫ですか?立ってるのもやっとなんて飲み過ぎですよ」
確かに……飲み過ぎ。
意識はちゃんとあるのに、体がもう私の命令を聞かない。
伝達機能に、支障アリ。
「ほら、行きますよ」
私は日高くんに支えられたままBARを出て、地上へと続く階段を危なっかしく昇った。
あとはもう、日高くんに連れられ、何処へなりとも行くしかない。
だって一人じゃ歩けないんだから……。
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