1.だったら俺に試させて

14/33
前へ
/89ページ
次へ
「飲みますか?」  そう言いながらキャップを外し、私に向かってベットボトルを差し出す。  受け取ろうとして手を伸ばすと、 「ダメです。零すでしょ」 って言いながら、ベットボトルの口を私の唇に当てた。  でも、すぐに、 「これでも零しそうですね」 と呟くと、ベットボトルの水を自分の口に含み、私の両頬を手で押さえたまま口移しで水を送り込んだ。  少し生暖かくなった水が、私の喉を通過して行く。 「美味しいですか?」 と、目の前で微笑む後輩くんに、酔っ払いの私はなすすべもない。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4910人が本棚に入れています
本棚に追加